第3回学術集会会長のあいさつ

 2012年3月18日に開催を予定されております第3回日本AD/HD学会学術集会の会長を務めさせていただきます独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院の齊藤万比古です。本学会学術集会も3回を数えるに至りましたが、まだまだ根づいたとするにはあまりに幼い段階の学会です。会員の皆様の一致団結した努力でさらに育んでいく必要があるのです。今回も前回までの学術集会と同じように活発な議論をさらに発展させるような一般演題を会員の皆様が多数応募してくださること、そして何より前回にも増して多数の会員にお集まりいただきますことを心よりお願いしたいと思います。
第3回学術集会のテーマは「AD/HDの客観的評価をめぐって」とさせていただきました。世界でもわが国でも現在用いられているガイドラインでは、AD/HDの診断に際してその生物学的マーカーは見いだされていないとしています。そのため、いささかでも客観性を持たせようとして、DSM‐Wの操作的診断システムに準拠した診断補助のためのチェックリストの開発に努めてきたのが、これまでの動向でした。しかし、よりテーラーメイドな治療を提供していくためにはAD/HDの障害診断にとどまらず、その多様な諸側面・緒特性を正確に描き出すことで治療・支援の技法選択やその効果を評価することのできる評価法が必要になります。AD/HDの生物学的マーカーが大きな可能性を持つのはその領域ではないでしょうか。また、個別の機能障害という側面での評価が可能な生物学的マーカーの特定は、AD/HDの下位分類にも大きな修正を迫るような資料を蓄積することができるかもしれません。このように様々な可能性を予感させる生物学的マーカーをはじめ、より客観的な診断・評価についての知見を知り、議論しあうシンポジウムを計画しております。
会員の皆様にはふるってご参加されますよう重ねてお願い申し上げます。


齊藤万比古
国立国際医療研究センター国府台病院
精神科部門診療部長

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