ご挨拶

本学会の運営には、日頃より大変お世話になっております。

2021年3月6日(土)、7日(日)の2日間、WEB開催にて日本ADHD学会第12回総会を開催させて頂くことになりました。

私どもは第3回日本ADHD学会総会を国立国際医療センター病院にて開催させていただきました。あれから8年が経ちますが、再び総会を担当させていただくことを栄誉に思いますとともに責任の重大さを痛感しているところです。今回のテーマは「ADHDの多様性とその支援」といたしました。ご存知のようにADHDは多動・衝動、不注意を主症状とした神経発達症の一つに分類されていますが、ADHDの臨床的な問題はそれらの症状だけでなく、生活環境や年代によって多岐にわたることも分かってきています。わが国でもADHDの診療は児童思春期に限らず、成人期まで広がりつつあり、ADHDに対する支援の基本となる心理社会的治療も復職支援など成人期を対象とした様々な支援も考えていく必要が生じています。また、薬物療法に関してもリスデキサンフェミタンが新たに登場し、その選択肢が増えつつあります。このようにADHDの病態も支援もその多様性がましてきていると言えます。これらの支援は医療という枠組みだけでなく、教育や福祉、そして司法の分野にも広がってきたと思います。

そこでこの度の学術集会ではADHDの患者さんの多様性をテーマとして、それぞれの年代や専門領域における問題点やその支援について学ぶことによって、ADHDの多様性に対応した適切な支援を可能にしていくことができると期待しております。

ADHDに関連する全ての職種の方々に、ご参加いただき、勉強していただけるように、また、活発な議論によりADHDの理解を深めていただけるようにお願いいたします。何卒、多くの皆様のご参加と、ご支援をお願いいたします。

2020年11月吉日

日本ADHD学会 第12回総会会長
国立国際医療研究センター国府台病院
子どものこころ総合診療センター・児童精神科
宇佐美 政英